そもそもこの本、キャッチコピーに偽りありで「50歳からは10着のシンプル服でおしゃれになる」とありますが、10着以上服は出てくるし、50歳でも相当感度の高い&スタイルの良い女性じゃないと着こなせない服ばかりです。

とはいえ、50代とは思えぬハンサムかつ尖った着こなしのマニッシュなファッションのオンパレードで、サブカルチャーに首までつかったことのある中年女子が読むと、いつの間にかどこかに忘れてきた大切なものを思い出させてくれる内容でした。


10着のアイテムを使ってコーディネートを組み上げていくという構成なのですが、「白Tシャツ」とか「ボーダーTシャツ」とかはわかるとしても、「ライダース」とか入ってきて、「おいおい50代の女性のスタメンアイテムでライダースジャケットとか誰が着るねん」とつっこまずにはいられません。

ただ、私は思春期にブランキージェットシティとミッシェルガンエレファントを通っているし、結婚してからもギターウルフのライブ行ってるしで「ライダース着てる50代かっけぇ！なりてぇ！」と思い、ダイエットを心に誓いました（現在85キロ）。


白シャツにネクタイを合わせるコーディネートなんかも、もろパンクの女王パティスミス。


そもそも三浦さんは髪型が、パティスミスというかラモーンズというか、そういう70年代のNY的なヘアスタイルなのよ。

お腹周りの贅肉をどう目立たなく着こなすかとか、肌がくすんできたからカラフルもモノトーンも似合わなくなってきて、茶色とかカーキとか俗に言うおばちゃんカラーを選ぶようになり、似合う服と着たい服の乖離をどう埋めるかみたいなことを考えている人がすがるような気持ちで「50代向けの着こなし本」を探して手にしたとしたら、ふざけんなって内容なのですが（実際は私もそんな気持ちで手に取ったのですが）、めちゃくちゃ刺さりました。

さすがにライダースは着られないかもしれないけど、だぶだぶのチュニックにレギンスパンツを合わせる、太ったおばはん御用達コーディネートしか着られない自分を変えたいと思えました。

つまりは、かっこよく年をとりたくなる本です。

月イチペースでゆるっと届きます