脱サラして警察官になったけたろーさんに、おまわりさんになったきっかけや仕事内容、メリットデメリットなど本音でビシバシ聞いてみた
おまわりさんって自転車で街中を走ってて身近な存在。
だけど腰には銃を持ってて、すごい非日常を感じる瞬間もある。
交通違反の取り締まりしてはうとまれ、トラブルを仲裁し、犯罪現場に飛び込み…。
どう考えてもハードな仕事内容。
なんか、いっぱい怖い思いとかしてそう…。
ということで、仲良しのブロガーのけたろーさんが元警察官だし、根掘り葉掘りさせていただきましたよ〜。
守秘義務もあるし話せないことも多いけど、嘘のない本音ベースの綺麗事じゃないインタビューになってるので、文字起こししててもめちゃくちゃ面白かった。
期待して読んでください。
※文字だらけでアレなので文中にけたろーさんが描いたイラストを挿入しています。深い意味はありません。
元警察官(おまわりさん)ブロガーけたろーさんが本音で答えるインタビュー
—まずはけたろーさんの、自己紹介をお願いします〜
けたろー:皆さんこんにちは!
個人ブログ【けたろーランド】を運営しております、元POLICEMANのけたろーと申します!
なんと今回、ブロガー仲間のていないさんにインタビューをしていただけるということで、喜び勇んで吹っ飛んでまいりました!
いや~、これまで超有名大手テレビ局関係者や、某企業から取材の依頼は来たことがあったのですが、いずれもドタキャンされてまして、「おいコラ、俺様に取材申し込んでおいてドタキャンとは、どう落とし前付けてくれるんじゃワレェ!?」とちょっとプンスカしておりました(笑)
でも、今回ていないさんが「元警察官が運営するブログ」として取材してくれると聞いて、そんな不満は一気に吹っ飛んでいったのでございます。マジで涙がチョチョ切れる思いです。
どうもありがとうございます(泣)
—いえいえこちらこそありがとうございます(おお、めっちゃぐいぐいくるな…)
けたろー:さて、わたしは以前、関東某県で警察官を8年弱ほどやっていた経験がございます。
遡ること一年ほど前に、生まれ故郷である山形県に家族4人でUターン帰省して、今は地元で会社員をやっております。
勘違いしてもらいたくないのが、本業はブロガーです(笑)会社員は副業と位置付けております(笑)
ブロガー歴はていないさんよりひと月ほど後輩となりますが、ちまたでは「非常にアク・癖ともに超強烈な独特すぎるブロガー」と評されております!
そりゃそうですよね、「自称天才過ぎるアホ」を名乗ってやっているんですから(笑)
まったく中二病もいいところです(笑)あれ?今はこういうの小三病って言うんでしたっけ?若く見積もってもらってどうもありがとさま!これでも昭和50年代の生まれです(笑)
—(ノリツッコミがすごい)
けたろー:さあ、そんな「アク」「癖」ともに超強烈なわたくしけたろーでございますが、今回は超マジメにていないさんのインタビューに答えていきたいと思います!
一見するとどーしようもないアホですが、この記事を最後まで読んでいただければ何かしらあなたの役に立つことがございますので、どうぞ途中で離脱することなく、最後までお付き合いください。
異色の経歴、リーマンショックで脱サラして中途採用で警察官に
—けたろーさんが警察官になろうと思ったきっかけって何ですか?おまわりさんに子供の頃から憧れてたとかそういうやつ?
けたろー:わたしは、警察官になる前、山形県内の某業界で会社員をしておりました。
その時期がリーマンショック前後であり、元々の会社の業績不調とも相まって会社が傾きかけ、サービス残業・休日出勤は当たり前、社長の説教も当たり前、ボーナスゼロも当たり前という超ブラックな環境で働いておりました。
—もともと警官を目指していた訳ではなく、一度社会に出て会社員として働いておられたんですね。
けたろー:このままこんなブラック企業に勤務していちゃダメだと奮起し、ノー勉で警察官試験を受験したところ、何故だかあれよあれよと一発合格(笑)
もう俺って天才だと思いましたね(笑)
ただ、合格先が県外だったものですから、そのまま妻と県外に吹っ飛んでいって警察官になりました。
—警察官って新卒でなるもんだと思ってました。
警察学校では中途採用にも関わらず最上級の成績優秀表彰を受賞
—中途採用の警察官は昇進に不利とかそういうのありました?
けたろー:警察官になるとすぐに入る警察学校では、意外と年長者であったにもかかわらず、最上級の成績優秀表彰を受賞、数年後に受けた「警察官昇任試験史上最難関」といわれる巡査部長昇任試験も楽々と一発合格しました。
—ほ〜。なんだか思ってたのと違う展開です。
けたろー:快進撃はこれにとどまらず、巡査部長になってから入る管区警察学校の巡査部長任用科でも、早稲田とか慶応とかいう輩を差し置き、山形県内のちょうど真ん中高校の高卒警察官であるわたしが、上位5%内に入り成績優秀表彰を受賞してしまうなど、怒涛の快進撃を続けたわけです。
—すごい。
けたろー:成績にとどまらず、勤務実績も抜群であり、署内所属課では常にトップクラスの勤務実績を誇り、通常昇給に加え、毎年のように特別昇給をし、賞与加算は当たり前、多数の署内表彰とまさに「超優秀警察官」だったのです。
警察官の仕事はストレスフル。人生最大の地獄を体験し退職を決意
—そんな「超優秀警察官」だったのに、どうして警察を辞めよう思ったんですか?
けたろー:がしかし、その反動は突然やってきました。ある時を境に物凄いストレスを感じ始め、急速に自分で自分を制御できないような状態に陥っていきました。
ここから約10か月、人生最大の地獄を見た時期となり、「自分」が音を立てて崩壊していくのをリアルに経験することになりました。
そんなとき、ちょっとした家庭内の事情が持ち上がり、ちょうどよかったのでそのまま辞め、家族と共に地元に帰った次第です(笑)
まあ、この辺には突っ込まないでください(笑)まだ心の傷が深く、笑い話にはできないので(泣)
—いろいろあったんですねえ…
交番勤務の警察官は「人間社会の影の部分」と退治する仕事
—けたろーさんは、警察官時代どんなお仕事をされてたんですか?
けたろー:警察官時代は、主に「地域警察業務」をやっていました。つまり交番勤務若しくはそれと同等の勤務がほとんどです。
—俗に言うおまわりさんですね。
けたろー:交番・駐在所勤務と言うのは、警察の根本業務であり、一番基礎的な業務であり、一番重要な業務です。
—おまわりさんの業務内容ってどんなんなんでしょ?
けたろー:皆さんが普段経験することの無い、「人間社会の影の部分」全てに対峙する業務をやっていました。
怖いでしょ(笑)
—怖い。おまわりさんの業務内容思ってたイメージと全然違う…。
けたろー:「人間社会の影の部分」っておそらく、一般人がそのような部分に触れるのは、人生で数回あるか無いかでしょうが、そんな問題に毎日毎日対峙していたんです。
刑事じゃなくてごめんなさいね(笑)
わたしは刑事のような「職人気質」ではなく、基本オールマイティなほうが性に合ってる人間なもので(笑)
警察庁と警視庁の確執はおまわりさんには関係ない
—テレビドラマで観たっていうか「踊る大捜査線」とか「相棒」で言ってたんですけど、警察庁と警視庁って確執はあるんですか?
けたろー: ・・・確執なんてあるのかな(笑)
警察庁は国の機関です。警視庁は東京都の機関です。
—うんうん。
けたろー:警察庁は全国警察の総まとめ的な立場であり、職員は基本的に国家公務員です。
警視庁は東京都の職員なので地方公務員です。
もしかしたら陰では何かあるのかもしれませんが、普通のイチ警察官がそれを感じることは無いのではないでしょうか。
警察庁と交渉したり確執を感じられたりする警察官は、よほど階級が高い警察官でないと無理でしょう(笑)
とてもとても巡査部長程度では(笑)
—そうか〜そうですよね。
警察官は老けるのが早い?ちまたの噂は本当だった
—警察官って、かなりお仕事ハードな印象ですが、健康面は大丈夫でしたか?
けたろー:警察官は、一般的に短命です。
—それね、聞いたことある。おまわりさんと外科医は短命ってテレビで言ってた。
けたろー:民間人がほぼ経験することの無い「人間社会の影の部分」を非常に多く扱うため、日常的に有り得ないほどのストレスを一身に受けることになります。
それに加えて不規則な勤務、厳しい縦社会、厳しく激しい訓練によって、異常な速度で寿命が消費されていきます。
つまり、異常な速さで老けていくのです。
—家庭のペットとして暮らす愛玩犬よりも、警察犬の方が年をとるのが早いっていうのもマンガで読んだことある…。警察はアンチ・アンチエイジングなんですね。
けたろー:見た目定年前なのに、実際40歳代とかザラです。
30代で髪の毛真っ白な人とかいますし。
そのため、現職中に大病を患い命を落とす警察官も多々おり、言い方は悪いですが、現職中に生き残れたとしても退職後にすぐ天に召される警察官も非常に多いのが事実です。
統計上はどうかわかりませんが、実際にわたしが肌身で感じたところでは、日本人の平均寿命から10年は短命であると思います。
—予想以上にハードな内容で…。けたろーさん…お勤めごくろうさまでしたあぁぁ!!
職務質問はマニュアルなし。警察官の経験とカンを頼りに
—話はかわりますが、ずっと気になってたことがあるんです。職務質問って「こういう奴を職質しろ」的な基準とかマニュアルとかってあるんですか?
けたろー:職務質問の基準はありません。
職務質問は、警察官職務執行法という法律に基づき「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して、何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っている者を停止させて質問することができる」と規定されています。
—なるほど、警察官の経験とカンってやつですよね。
けたろー:超簡単に申し上げるのならば、警察官に話しかけられて嫌そうな態度をとった奴には徹底的に質問しまくることができる、という事ができます。
—けたろーさん、猿でもわかる噛み砕いた説明ありがとう。
けたろー:具体例を挙げると、警察官がAに「こんにちは」と声を掛けた結果、Aが無視したり「話しかけんじゃねえよ」なんて拒絶する行為が警察官職務執行法で言う所の「異常な挙動」に該当します。
警察官に「ん?コイツなんかやましい事やってる(若しくはヤバい物を持っている)んじゃないか?」と思わせる相当な理由があると解釈することができます。
まあ、「警察官から逃げようとしたら、どこまでもしつこく質問される」と解釈して間違いありません。
警察官時代の怖い思い出は…全部
—警察官時代の怖い思い出話があれば教えてください。
けたろー:これ、一般人が警察官や元警察官によく聞きたがる質問ですね(笑)
—だって、おまわりさんって怖いところに行くのが仕事みたいなところあるから…相当怖い経験してそうだなって。
けたろー:怖い思い出・・・ですか・・・。
全部(笑)
人知れず天に召されて、物理的変化を遂げちゃった見たくもないモノに対峙した時や、凶器使用の犯行現場に行かなくちゃならなかったときですかね・・・。
拳銃のようなものを使用した強盗事件、なんてのもありましたね(汗)
あとは、応援が来るまでの間、チンピラ数人に一人で対峙しなくちゃならなかったときとかはさすがに緊張しましたね。
—ひえ〜そんなテレビドラマみたいなことあったんだ…。こわわ。
けたろー:基本的に警察の仕事で「楽しい事」はありませんからね。
「辛い事」「危険なこと」「汚い事」「悲しい事」が99%です。
—しかもネズミ捕りとかで捕まって、警官のこと罵倒してる人とか大阪に住んでた頃はよく見たしなあ…
警察官になって良かったことは、さまざまな知識と経験を得たこと
—逆に警察官になったことで、良かった点ってありましたか?
けたろー:警察官になってよかったことは、刑法を中心とした法律の知識がついたことですかね。
警察に検挙された場合どうなるのか知ってますし、何が犯罪にあたり何が当たらないのか知っていますので、日常生活に応用がききます。
また、様々なトラブルの対処法も覚えることができましたね。
知識・経験はマジ宝です。
あとは・・・貯金がそれなりに貯まったことくらいでしょうか(笑)
—きれいごとじゃないお返事ありがとう。街の人に感謝されて…とかそういうエピソードトークとかしてくれるのかと思ってたけど、すごいリアルな内容。
警察官は「覚悟」が必要な仕事
—けたろーさんは、若者が警官になりたいって言ったら、すすめられますか?
けたろー:わたしは当ブログで警察官を志す者に色々アドバイスを行っています。その証拠に、警察官になりたい人向けの記事も60記事程執筆しています。
警察官を志す人には「覚悟」がなければなりません。単に「公務員であればいい」って人は絶対に向かないので、「覚悟」がある人には勧めることができますね。
—警察官になるにはそれ相応の覚悟が必要なんですね。
けたろー:はい。そうでない人には絶対にお勧めできません。
—ありがとうございました。私はもともとおまわりさんと消防士さんが好き(子供時代からパトカーと消防車が好きだから)なんですけど、警察官へのリスペクトが高まるインタビューでした。日本中のおまわりさんにありがとうっていう気持ちになれました。たとえ右折禁止の交差点の物陰に隠れて罰金取られてもこれからはうらみません。